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クリエイターインタビュー

景色盆栽作家 小林 健二

中西:現代の暮らしに馴染む「景色盆栽」が気になっていました。でも「盆栽」と何が違うのでしょう。


小林:盆栽には「裁景」という手法があるのですが、これは自然の縮図、生きている風景画といえます。限られた鉢、あるいは空間に清新な大自然の風致を、詩情豊かに縮小再現し、四季の風趣をかもし出させる方法です。「景色盆栽」は、それを元に現代の生活と日本の風土に合う植物、山苔を用い、春は芽吹き、夏は新緑、秋は紅葉、冬は冬枯れ等、四季折々の景色を生活空間の彩りとして様々な器、空間に都会の生活スタイルに合わせた景色を創る手法です。様々な生活様式の現代では育てる環境等も昔とは変わっています。小さな庭のスペース、ベランダ、室内等に伝統たる盆栽の管理手法を用い育てていく事により、心の豊かさと季節の彩りを楽しむ。それを多くの人に、もっと気軽に生活に取り入れて欲しくて、これまでの「盆栽」と区別して「景色盆栽」って呼んでいるんです。


中西:小林さんが盆栽の世界に入っていくきっかけは何だったんですか。


小林:高校時代に進路を決めますよね。建設会社を経営していた父親が「造園業は食いっぱぐれないぞ」って。兄貴が会社を継ぐ予定だったから。それでそのまま造園を教える専門学校に入った。在学中に造園設計事務所でバイトを始めたら、根は真面目で几帳面だったから重宝されて、そのまま就職したんです。東京ビッグサイトや大きな公園の造園設計をしたりして充実していた。けれど先輩たちは、みな美大卒。論理的に空間構成力を養っていた。自分にはその力が足りないと感じていた。そんな時に大御所の設計家が「アメリカで盆栽を学んだら?」って言われたんです。造園設計の大家といわれる人たちは、かっては必ず華道、茶道、そして盆栽を会得していた。それで盆栽を学ぼうって渡米したんです。

 

中西:それなのに造園に戻らず、そのまま盆栽の方向へ向かったのは、ハマっちゃったって事でしょうか。


小林:当時は僕みたいな盆栽の技術と感性を持った人間はいなかった。だったら僕にしか出来ない、新しい盆栽を提案しようと思った。造園も盆栽も自然を愛し、長く生命を育むこと。最初にも言ったかもしれませんが多くの人に愛でていただくにはどうしたら良いか。まずやれることは門戸を広げて愛好家を増やすことだと思います。


中西:これはアートも全く同じですね。コレクターになる前に、多くの人は美術館で初めてアートの鑑賞をする、そしたら今度はギャラリーを見て回ってアートを身近にしてもらう。いかにして「こっちの世界」へ引きずり込むか。景色盆栽を作るときに意識されていることを教えてください。


小林:作ると言ってもアートの作品のように自分が作るというよりもなんというか盆栽の美しさって自然の景色で、自然が創り出すものは人間には作れません。このことを忘れずに提案していこうと思っています。


中西:企画展での景色盆栽の展示とワークショップを楽しみにしています。本日はありがとうございました。

(二〇〇九年二月十二日 品品にて) インタビュー・文 中西研大郎




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Web Equal  vol.9 2009.4~5

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こばやし けんじ
小林 健二
有限会社 品品 代表取締役

1970 長野県小諸市生まれ

1990 国土建設学院 造園緑地工学科卒

1990〜97 (株)あい造園設計事務所

1997〜98 USA PORTLAND OREGON JAPAN BONSAI

2002 世田谷区奥沢に有限会社 品品 設立

 

東京を拠点に全国のギャラリー、百貨店等にて多数個展を開催。 建築、インテリア等様々な分野とのコラボレーションを行う。
 

http://www.sinajina.com/

 

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